26歳出遅れ既卒が10年で年収300万から年収1000万まで伸ばした話

平凡文系サラリーマンが年収を効率よく上昇させていった実体験だったり、転職・昇進によるキャリア形成について語ったりしてます。

色んな職種について知ろう:人事系職種について

営業からのキャリアチェンジ(職種変更)というテーマで書き始めていたのですが、そもそもそこから何になりたいのかをきちんと決めていく上で、簡単に各職種の説明をできればと思っております。自分が文系人材、かつ人材紹介の経験をメインに話すので文系職種を中心にご紹介します。

というわけで人事職ですが、ざっくりいうと

・営業から人事は比較的転職でも可能だが、数年スパンで考えたほうが良い

・職務内容は多岐に渡る:採用、研修、給与、労務管理、報酬設計、人材開発、組織開発

・資格はそこそこ活きる:社労士を頂点にキャリアカウンセラー等

・優等生キャラ・風紀委員キャラを求められることが多い:割と愚痴聞きポジションに陥りやすく、且つ社員と話すときに失言に注意しないとハラスメント、不適切発言でやり玉に挙げられやすい

・給与は一番高くて1500万2000万くらいまで。業界平均に左右されやすい

 

 

職務内容について

非常に多岐に渡り、経理のような緻密さ、精密さを求められる職種や、法的な知識が求められる職種、かなり営業よりの職種など、合う性格も職務内容によってかなり異なります。

 

採用

最も営業寄りの仕事で、営業職からの流入も一定数あります。(ただし諸条件あり)大きく分けて新卒採用と中途採用があります。

・各部門の採用計画をベースに、欲しい人材のスペックのヒアリング

・採用のために利用する求人広告を選定、掲載

・人材紹介会社へ採用案件を出したり、条件面のすり合わせを行う

・広告や紹介会社から上がってきた候補者の書類選考や一次面接

・採用部門責任者との面接アレンジ、面接後のフィードバックとりまとめ

・採用確定後の入社準備(労務が行う場合も大いにあります)

SNS等を利用した人材の直接獲得

各部門に紹介された人材を「売り込む」必要があるので営業寄りのスキルや経験はかなり活きます。紹介会社や広告を利用しない人材の「直接獲得」も外資を中心に流行ってきているので営業的なタフさが求められます。

 

研修

採用からの研修に異動するケースはよくあるようです。実際に採った人材の育成ということで採用職にいる人が次のステップとして興味を持ちやすい職種でもあるようです。

・入社後オリエンテーションの企画、準備、実施

・入社後のフォローアップ研修の定期開催

・WEBを活用した研修システムの導入や活用、運用

・部門や個人のニーズに於いて特定のトピックで研修を都度企画、実施

・外部研修業者(外部の講師やトレーニング専門業者)との企画

人を育てていくことが業務の中心になるため、コミュニケーション力は必須です。また、社員が興味をもってくれそうな研修プログラムをつくっていける企画力も重要ですし、そういった企画に自発的な参加を促すための社内売り込みも必要になってきます。

 

給与

かなり緻密な作業を要求される仕事で、経理的なセンスが合う職種です。直接社員を積極的にコミュニケーションを取る必要性も少ない場合が多いです。外資系などでよくある海外本社からの出向社員が居るような企業や社の給与制度が独特な企業ですと計算も複雑になり、職人技のようになっています。社会保険料等を含めた最終的な計算から振り込みまでは外部委託している企業も非常に多くなっています。

 

・毎月の勤務実績表(タイムシート)から勤務時間数、日数、残業時間数、深夜時間外などを計算する

・計算した結果を社の制度に則った形で給与に計算する(みなし残業は何時間か、深夜の時給アップはいくらか等)

・そこから社会保険料所得税、住民税等の天引き処理を行う

・給与計算をアウトソースしている場合はその業者とのデータのやり取りや内容のチェック

・給与システムから経理システムに連携させて費用計上

・年末調整処理

 

アウトソースが増えている関係もあり、給与だけをやる方は減ってきています。労務管理とは非常に近似性・親和性の高い職種なのでそことセットでキャリアを積んでいくと幅が広がります。

 

労務管理

給与なども含めた人材の全体的な労務環境の管理です。会社の休日、代休、有給、残業などのルールをまとめた就業規則の運用や、社内で発生した就業規則違反行為、あるいは労働基準法に違反している可能性のある行為に関しての相談を受けたり、アドバイスを行ったり、規則や法律に実際に反している行動が認められた場合に懲罰的なアクションを社として取る、人事関係のリーガルアドバイザー的な役割を持ちます。

 

・休日、残業、有給、産休などのルールを定めた就業規則の作成、変更、運用

・労働環境に関する各種相談受付、対応

就業規則違反行為に対する対応

労働基準法違反行為に対する社としての対応

・労基署等の監査対応

 

働き方改革なども声高に叫ばれる中、その制度を社内で設計するのがこの部門になり、それは全て労働基準法職業安定法等の法律を遵守する必要があります。よってそれらの法律に詳しい、あるいは社労士などの関連資格を持っている方がこういった業務に当たるケースが多いです。

 

人材開発

研修業務で経験を積むとこの人材開発業務にステップアップしていくケースが多いです。会社としての戦略を元にどの人物を昇進させるべきで、そのためにどういった目標をもたせ、それに達するためにどういったアクションや現在足りていないスキルや経験を補うために研修を行うのかなどを設計します。研修寄りではありますが、より個人に寄り添った人材のレベルアップをサポートする職種となります。

 

・会社の戦略をベースに、どの部門にどういった「タレント」が居るのか把握する

・タレントが居ない場合にどういった人物を外部から採用するのか設計する

・各タレントが次会社としてしてほしいステップアップに必要な経験、スキルを把握する

・それらの経験やスキルアップを促せるような研修プログラムの企画と実施

・「タレント」が退職してしまわないように彼らの意向や会社に対する満足度をきちんと把握しておく

 

採用、研修、人材のリテンションといった様々な人事のテーマが詰まった職種で、採用や研修で培った「人を見る目」を昇華させるに相応しい職種となります。

 

組織開発

人材開発から更にステップアップした職種となります。会社の短・中・長期戦略を遂行していく上で必要な組織というものを描き、そこにどういった人材を当てていくかという、人材開発の上流にあるような仕事です。

 

・会社の戦略をきちんと理解し、その上で短・中・長期でどの部門を拡大するのか、縮小するのか、あるいは新設すべきなのかを決めていく

・その上で誰を昇進、異動あるいは新規に採用すべきなのかを考え、人材開発業務に落とし込んでいく

 

かなりハイレベルな仕事となりますので、この業務を行う頃には少なくとも複数の人事職種を経験したマネージャー(課長職)レベル以上で到達できるような仕事となります。自社の事業の戦略に対する理解度の高さはものすごく重要になってきます。

 

人事ジェネラリスト・人事ビジネスパートナー(HRPB)

これまでは業務ごとに縦割りで職種を紹介しましたが、この仕事は部門横断型です。採用、研修、労務等の仕事を幅広くこなすことになり、主に数十名程度の規模の会社や、事業部制などを採っていて各事業部に人事がいる場合このような働き方になります。全てのことに於いてプロとなるのは非常に困難なので、その企業や事業部が人事機能のうちどこに重きを於いているかでこのポジションに当てる人材がどういたった経歴の方なのかも変わってきます。

 

例えば事業がものすごく伸びていて、人が圧倒的に足りない状況であれば採用に強い人事ビジネスパートナーとなりますし、ベンチャーからより中堅企業になっていくなかできちんとした制度を作っていきたいのであれば労務管理に強い方、のようなイメージになります。経験値が低いとただの部門の御用聞きになってしまいがちなのと、部門の事業に対しての理解度が信頼関係の構築に大いにつながっていくので、よりビジネスに寄り添った意識で仕事を進めていく必要があります。

 

長くなりましたがざっくりと人事系職種のご紹介でした!次回はまた別の職種の紹介か、営業→人事へのシフトをテーマに記事を書ければと思っております。

 

それではまた次回!

えぬ